【ジョン万パークの天然水族感】Theスマイルバカンス smile Vacance

【対談】プロガイド相川浩一に聞く

「泳げない人でも笑顔になれる」──

“天然水族感ツアー”誕生の裏側

沖縄・糸満に拠点を構え、五感で感じる“海の旅”を提供している「天然水族感ツアー」。
人気のウミガメ体験や、初心者・泳げない人向けの安心サポートが話題となり、口コミでファンを増やし続けています。
今回はそのツアーを開発・運営しているプロガイド歴33年の相川浩一さんに、
サービス誕生のきっかけから“想い”に至るまで、たっぷり語っていただきました。

「美ら海水族館で終わってしまう人たちが、心に残る“海体験”をできるようにしたい」

―相川さん、今日はよろしくお願いします。まずは、いま大人気の「天然水族感ツアー」ですが、立ち上げのきっかけから教えていただけますか?

相川浩一(以下、相川):
よろしくお願いします。
このツアーを作ったきっかけは、2024年の秋、たくさんのお客様をご案内した後の、ある“違和感”からでした。
ふと「沖縄に来た人のうち、どれだけが本当の“自然体験”をできてるんだろう?」って思ったんです。
実は、沖縄観光客のうち海に入る人って、3割程度なんですよ。

―えっ、意外と少ないですね…。

相川:
そうなんです。
美ら海水族館とか、インスタ映えスポットには行っても、“実際に海に入る”という選択肢が最初からない人も多いんですよ。
例えば、お母さんが泳げないから、子どもに海体験をさせてあげたくても怖くてやめる。
結果、車で移動して水族館で終わってしまう…。
子供に初めての自然体験をさせたくても小さな子供が体験出来るサービスがない。
沖縄は子供の自然の海の遊び場が少ないんですよ。
それって、すごくもったいないじゃないですか。
だから、「もっと手軽に、安心して、海と出会える方法はないか?」と考えたのが始まりです。

“海に入る水族館”──このコンセプトがすべての原点

―それが「天然水族感ツアー」という形になったんですね。

相川:
はい。
「水族館みたいに見れるけど、実際にその中に入って体験できる」
そんなコンセプトを思いついた時、「これだ!」と。
だから名前も“水族館”じゃなくて、“水族感”なんです。
あくまで感覚で体験してもらう、“感じる海”。
お客様は観察者じゃなく、海の中の“体感者”なんです。
しかも、足のつく浅瀬で、波も穏やかな天然のラグーン。
ガイドが付き添って、特製のフロートにつかまりながら、色とりどりの魚たちやウミガメと出会っていく。
水族館では味わえない“生きてるリアル”がそこにあるんですよ。

ツアー設計のテーマは「初心者を笑顔にする」

―天然水族感ツアーには、細かな配慮が随所にある印象です。

相川:
ありがとうございます。
このツアーのキーワードは、「初心者を笑顔にする設計思想」です。
器材は全て洗浄・乾燥済で、一人一人に合ったサイズをパッケージング。
2歳〜75歳まで、スーツも体重120kgまで対応していて、15cm〜32cmのブーツもあります。
「濡れたウェットスーツが気持ち悪い」「マスクが合わなくて不安」
そんな小さな“不快”をなくすことで、“楽しい”を最大限に感じてもらえるようにしています。
また、AEDや救急セットも完備。スタッフは応急処置の訓練も受けていて、安全対策は万全です。

なぜ、ここまで“初心者”にこだわるのか?

―ここまで丁寧な初心者設計にこだわるのには、何か理由があるんでしょうか?

相川:
理由はシンプルです。
今の観光業って、体験が“作業”になってしまってる気がするんです。
昔のインストラクターは海が大好きで、スキルも高かった。
でも最近は“こなす”だけの仕事になって、お客様への配慮や感情への寄り添いが足りない。
笑顔のない接客、寝癖のままの送迎、希望を聞かずに勝手にポイントを決める…。
自分はずっとそれに違和感があって、「本当のサービス業」としての観光を目指したいと思ったんです。
だから、2016年から人材育成にも取り組み、
“どんなお客様にも寄り添えるプロガイド”を育ててきました。

感覚の時代へ──海を通して五感を取り戻す

―最近では「リトリート沖縄」という考え方も取り入れているそうですね。

相川:
はい。
今の社会は情報過多、デジタル過多。
人間の直感力や察する力、五感って、どんどん退化してると思うんです。
でも、海に入って自然と触れると、感覚が開いていくんです。
音、光、潮の流れ、空気の湿度…。
そういう“感じる力”を取り戻してほしい。
それが「リトリート沖縄」の始まりです。
天然水族感ツアーは、まさにその入り口になる体験。
海に入るだけで、身体も心も整って、頭もリセットされる。
現代人に必要なのは、そういう“整える旅”なんじゃないかと思ってます。

感覚の時代へ──海を通して五感を取り戻す

―相川さんがこのツアーを通して、本当に届けたいものって何ですか?

相川:
“記憶に残る幸せ”ですね。
ウミガメを見て泣いてしまうお母さん
「パパ、すごいね!」って言って笑う子ども
「こんなに楽しいと思わなかった」と言ってくれるご年配の方
そういう“心が動く瞬間”を作りたくて、僕たちはガイドしてるんです。
海の説明なんて、あとでも調べればいい。
でも、「楽しかった」「安心できた」「また来たい」っていう感覚は、その場でしか得られない。
そのために、僕たちは全力で向き合っています。

そして、「ジョン万パーク」という未来構想へ

―最後に、今後の展望を教えてください。

相川:
実は今、「ジョン万パーク」というプロジェクトを進めています。
天然水族感ツアーがあるビーチを中心に、
• ウェルネスエリア(リトリートや五感ツアー)
• ファームエリア(子どもや地域を育む畑)
• コミュニティが育つエリア
を展開していく予定です。
“自然と共に生きる”をテーマに、観光・癒し・教育がつながる場所。
僕にとっては、ここまでの経験すべてを活かす「集大成」の場になると思っています。

「感動するのは、自然の中で誰かと心が通ったとき。」
「人は、自分の心で感じた体験こそ、一生忘れない」
相川さんの言葉からは、どれだけデジタル化が進んでも、人間にとって“感情”や“つながり”がいかに大切かが伝わってきました。
泳げなくても、自然とつながれる。
それはまさに、今の社会に求められている“本物の体験”なのかもしれません。